毎週述べ50人くらいの(現役・元)ホームレスや生活困窮者に会う仕事の中で直接見聞きした事をお届けする「貧困正味の話」。
今回のテーマは「ホームレスの特徴」
3年以上現役・元ホームレスを見てきて分かった特徴をご紹介します。
実際に会った数百人のホームレスに限られているため少数派かもしれませんが、これも紛れもない事実の一つです。
ココがポイント
全体的な傾向や一般的なケースではない「正味の話」を覗いてみたい方はぜひご覧ください。
もくじ
- 知っておくべきホームレスの特徴【貧困正味の話】
- 目を合わせない【ホームレスの特徴】
- 勘違いしやすい【ホームレスの特徴】
- 忘れ物が激しい【ホームレスの特徴】
- 約束を守らない【ホームレスの特徴】
- 思考が変わってる【ホームレスの特徴】
- 見た目を気にしない【ホームレスの特徴】
- 計算が苦手【ホームレスの特徴】
- 記入が苦手【ホームレスの特徴】
- 字が特徴的【ホームレスの特徴】
- 集中力が無い【ホームレスの特徴】
- 知らない事が多い【ホームレスの特徴】
- 異常に詳しい事もある【ホームレスの特徴】
- 話が長い【ホームレスの特徴】
- 話題が飛ぶ【ホームレスの特徴】
- 視野が狭い【ホームレスの特徴】
- 理解力が低い【ホームレスの特徴】
- 話を聞かない【ホームレスの特徴】
- 何度も同じ事を言う【ホームレスの特徴】
- 言ってる事に的外れが多い【ホームレスの特徴】
- 自分の言葉でないと理解も納得もしない【ホームレスの特徴】
- 何もかもやってもらって当たり前と思っている【ホームレスの特徴】
- 何もかもやってもらえなくて当たり前と思っている【ホームレスの特徴】
- なぜ知るべき?【ホームレスの特徴】
- まとめ:深く知る事で正しい理解を広げよう【ホームレスの特徴】
知っておくべきホームレスの特徴【貧困正味の話】
目を合わせない【ホームレスの特徴】
人によって理由は様々ですが、ホームレスには目を合わせてくれない人が多いです。
- 人間関係にトラウマがある
- 何事に対しても無気力・無関心
- コミュニケーションに慣れてない
- あらゆる事に後ろめたさを感じている
などなど・・・
意図的に他人を避けている場合もありますし、何も無いはずなのに人の視線を痛いと感じていたりと理由は人によって様々です。
ココがポイント
知的障害や精神障害がありそうな人も多いため、目の前に人がいても視点が定まらない人も少なくありません。
勘違いしやすい【ホームレスの特徴】
対人経験が浅かったり知っている事が少ないことにより勘違いしやすい人も多いです。
異性のボランティアや支援者にちょっと優しくされただけで「自分に気があるんじゃないか?」と勘違いしてストーカー行為に近いことをやったり言ったり・・・
ココがポイント
しかも、ホームレスには世間に疎い人も多いので、相手が嫌がっている事や自分がストーカー行為をしている事に気付いていない人も多いです。
「恋は盲目」なんて呑気に構えていると事件に発展することも考えられます。
忘れ物が激しい【ホームレスの特徴】
知的障害や精神障害が原因なのか単なるだらしなさなのか、忘れ物が多い人が多いです。
- 支援団体に炊き出し情報のメモを貰いに来たのに、そのメモを忘れて帰る
- 財布や寝袋などの大切な荷物を置き去りにして移動してしまう
空き缶集めなどを頑張ってやっと手に入れたお金や荷物を一気に失ってしまいゼロからやり直すケースは頻繁に耳にします。
ホームレスの人たちと直接接していると、日々の生活がなかなかラクになっていかない原因の一つのように感じます。
約束を守らない【ホームレスの特徴】
支援団体に食料や衣服などの寄付品を貰いに来る時に多いのですが、約束を守らない人が多いです。
配れる寄付品には限りがあるため事前に予約した人に優先的に配ることが多いのですが、自分で予約した日時を守らないで訪れる人やアポ無しでいきなり来る人などなど・・・
少しでも多くの人に寄付品を配らないといけないので寄付品が有り余っている時以外は約束を守らない人には現実的にお渡しできないのですが、そうなると逆ギレするからタチが悪いです。
ココがポイント
こういう人たちの希望に合わせて予約制でなく早い者勝ち制にしたらしたで、他の人が受け取って自分の分が減ったらやはり逆ギレするので結局変わりません。
ホームレスの人たちはその日その日が切羽詰まっている場合が多いので理解できる部分もありますが、困っている中でも手間をかけて事前に予約をしてくれた人を後回しにするワケにはいきません。
困っている人はその人だけではないのです。
思考が変わってる【ホームレスの特徴】
「どうやったらそんな考えに至んねん!?」と思うくらい思考が変わっている人も多いです。
ワタシが知っている中で最も極端な人は、若くしてホームレスになってから何とか日銭を稼いで生活していたAさんというホームレス。
手持ち金が無くなると無銭飲食して刑務所に行くという生活を10年以上続けていました。
とある支援団体の人に「お金が無くなったからってタダ飯で捕まったらダメだよ」と言われたらものすごく驚いた顔をしたそうです。
その人には無銭飲食や刑務所行きが悪い事だという認識が無かったようです。
ココがポイント
今は捕まることもなくドヤで何とか生活していますが、家庭や社会などの環境が整っていなかったことによる被害者と言えるかもしれませんね。
見た目を気にしない【ホームレスの特徴】
服装などの見た目を気にしない人も多いです。
お尻が破れたズボン、寄付で貰ったスーツだけど靴はトレッキングシューズ、サイズが合っていない、色や柄の組み合わせが歪などなど・・・
ココがポイント
髪やヒゲが伸び放題の人は意外に少ない印象です。
支援団体では無料で散髪をしてくれる所があるからかもしれません。
お金が無いからそんな事を揃える余裕がない場合がほとんどですが、だらしない性格による事も少なくありません。
日銭を稼ぐ手段がまだ整ってないホームレスは支援団体が配っている寄付品で衣類を揃える場合が多いので、コーディネートに関しては仕方ないのかもしれませんね。
計算が苦手【ホームレスの特徴】
致命的に計算が苦手な人も多いです。
例えば、何とか3,000円の日銭を稼げたとします。
「ネットカフェ代が2,500円だとすると、500円まで食費として使える」と考えることができると路上で寝なくて済みます。
しかし少なくないホームレスは何も考えずに、
- まずはタバコ(500円)と缶チューハイを2本(300円)買う
- タバコを吸いながら酒を飲んで「何喰おうかな」と考える
- 「ちょっと贅沢したいから寿司でも食おう」とコンビニへ
- もちろん缶チューハイをまた買う
- 「あっ、金ないからネットカフェ行けないじゃん」と路上で寝る
という行動をとります。
夏ならまだ良いのですが、冬の路上生活は命の危険があります。
それでも考えなしにタバコや酒を買ってしまうのが彼らなのです。
やり繰りの仕方を教えると、
- まずは「そうやれば良いのか」と驚く
- でもやらない
- お金が足りなくなると人に文句を言う
- 「できないから仕方ない」と逆ギレする
という無限ループで何も変わりません。
お金に限ったことではなく、何事も計算ができないというのはホームレスになった要因の一つとも言えそうです。
記入が苦手【ホームレスの特徴】
支援団体で何かしらの支援を受ける時の契約や生活保護などの公的支援の手続きなど、書類に記入するのが苦手な人が多いです。
例えば、
- 間違った欄に書く
- 枠から文字がはみ出る
- 氏名欄と年齢欄が分かれてるのに氏名欄に一緒に書く
- 「チェックしてください」と書かれているのに丸で囲む
のような感じ。
ホームレスになる人は勉強や事務的な経験が少ない場合が多いので仕方ないのかもしれません。
字が特徴的【ホームレスの特徴】
書類などへの記入を見ていると字が特徴的な人が多いです。
止め跳ねが強調されていたり全体的なフォルムが変わっていたり・・・
しかし、ただ単に字が汚いというだけで終わらせてしまうのは勿体ないくらい「独創的」なのも面白いところ。
絵画に例えると抽象画的な「味がある」字を書く人もいます。
ココがポイント
こういうセンスが上手く活かせたら大成功しそうなホームレスも多いのに、本人も周りも上手く活かせてないのを見るともどかしさを感じます。
作品?を集めて出版したり個展的なものを開いても面白そうなのですが・・・
集中力が無い【ホームレスの特徴】
気持ちや視点があちこちに分散して集中力が無い人が多いです。
書類の記入を例に挙げると、
- 記入の途中で関係ない話をし始める
- 渡した書類を見てもらってる時にも話をし始める
などなど・・・
今まで見てきた中では、気持ちに余裕がなくて焦っているというよりは「性格的に落ち着きがない」という人が多く見受けられました。
知らない事が多い【ホームレスの特徴】
ホームレスになる人は仕事や勉強、人との交流の経験が少ない場合も多いので知らない事が多い人が多いです。
義務教育レベルの知識から一般常識まで人によりけりですが、面白かった(変わった?)エピソードをご紹介します。
- 支援団体で配っている物で冬に多くなる物のひとつが使い捨てカイロ
- とあるホームレスのAさんは、貼るタイプのカイロをいつもジャンパーの上から数枚貼っている
- ある日「このカイロ全然暖かくねぇんだよ」とご不満の様子
- 「Aさん、カイロは中の服に貼った方が暖かいんじゃない?」と教えてあげても「オレはこれで良いんだよ」と独自の(謎の?)こだわりを発揮
この方は使い捨てカイロを一番外に貼ると暖かくならない事を知らなかったようです。
指摘されて恥ずかしかったのを「こだわり」と誤魔化していますが、本人が納得していたり人の話を聞かないのであればそれ以上突っ込みません。
ココがポイント
こんな笑い話レベルの事ならまだ良いのですが、生活に直結する事を知らなくてドン底に落ちる人もいるので人の話も聞いてもらいたいのですが・・・
異常に詳しい事もある【ホームレスの特徴】
知らない事が多い一方、「なんでそんな事知ってんねん!?」と言うくらい異常に詳しい事もあります。
建築関係や町工場の職人、調理師などとして働いていたホームレスも多いため、特にDIYや料理についてアドバイスを求めるとハイレベルな回答が返ってくる事が多くあります。
特殊な環境で長年生きてきた経験からなのでしょうか、普通の人には無い知識や経験を彼らは持っています。
ココがポイント
こういう経験やノウハウが上手く活かされていない事も、見ていてもどかしく感じます。
話が長い【ホームレスの特徴】
いったん話し始めると話が長い人が多いです。
人と目を合わせなかったり人を避けていたりして交流を拒んでいるホームレスも多いのですが、最初は完全に無反応だった人が
- チラッとこっちを見てくれるようになる
- 語りかけに少し頷いてくれるようになる
- 「うん」と短い返事を返してくれるようになる
という感じで「少なくともこいつは危害を加えるような奴じゃないな」と思ったら少しずつ心を開いてくれるホームレスの人もいます。
そんなこんなで少しずつ会話が成り立ってくると新たな問題が勃発します。
それが「話が長い」です。
しかもその長さが半端じゃない。
大げさじゃなく、5秒で終わる話なのに20分近くかかる事もしばしば・・・
長年人と話すことが無かった分、こういう時に一気に爆発するのかもしれませんね。
話題が飛ぶ【ホームレスの特徴】
話しているとあちこちに話題が飛ぶ人が多いです。
これまでにご紹介してきた「集中力が無い」「話が長い」という特徴にも関連しています。
役所の対応が酷かった話をしていたかと思うといつの間にか知人のホームレスの話になっていたり、ネットカフェの話をしていたかと思うといつの間にか路上の寝床の話になっていたり・・・
ちょっと違和感を感じたら「それって何についての話ですか?」と小まめに聞かないと話題に付いていくことは至難の業です。
視野が狭い【ホームレスの特徴】
物理的にも思考的にも視野が狭い人が多いです。
例えば、支援団体のスタッフと話し始めて止まらなくなったAさん。
用事があって来た他のホームレスの人が真後ろ、もしくは真横に来ても構わず話し続けます。
全く周りが見えてないAさんが自分でその人に気付くのは不可能なので他の人が促してあげないといけません。
理解力が低い【ホームレスの特徴】
ホームレスの人には言われたことに対して理解力が低い人が多いです。
こちらから何かを伝えた時に頭が真っ白になって無反応になる人、普通に聞いてるように見えて全く伝わっていない人など様々。
例えば「段ボール箱を向きを揃えて壁際に縦に5個積み重ねる」という作業を頼んだとします。
すると、
- 壁際に置かない
- 向きを揃えない
- 縦に5個じゃなく2個と3個みたいに分ける
という感じで独自のアレンジが必ず発生します。
作業中に「こういう感じで置くんですよ」と伝えても分からず、こっちで修正して完成形を見せても何が違うのか分からない様子。
別のエピソードでは、
- ある日「Aさんに身に覚えのない事で悪口を言われた」と相談してきたBさんがいた
- 詳しく聞いてみてもBさんに落ち度は全くなし
- 後日Aさんに「Bさんが嫌がってるから悪口を言ってはいけません。Bさんには悪い所はありませんでしたよ」と伝える
- すると「俺(Aさん)とあなたで話してるだけだと本当の事か分からないやん」と意味不明の回答
という感じ。
「Bさんが直接ワタシに相談して来たんです」と言っても全く理解できてない様子でさらに意味不明な主張が続く。
頭を使うのが苦手なのか、生きるのに手いっぱいで思考に回せるエネルギーが足りてないのか分かりませんが原因は人によって様々です。
話を聞かない【ホームレスの特徴】
意図的に人の話を聞かない人も多いです。
- 約束の時間を無視して寄付品を受け取りに来た人に「自分で指定した約束の日時に改めて来てください」と伝えると「○○の用事があるから今じゃないとダメ」と反論
- 「じゃあ、それを踏まえて予約すれば良かったんじゃないですか」というと「急いでるから」と論点をズラしてさらに反論
- 「今は予約した人の分しか寄付品がない」と言っても聞かない
という感じ。
こういうケースに限らず、他人の事なんかお構いなしで自分の都合だけ押し付けてくるので全く話が嚙み合わないことも日常茶飯事です。
何度も同じ事を言う【ホームレスの特徴】
理解力の低さや人の話を聞かない事が影響しているのか、何度も同じ事を言う人も多いです。
例えば、自由に持って行って良い寄付品をワゴンセール的に置いているとします。
- マスクや靴下などのワゴンが空っぽになっていて、あるホームレスの人が「マスク貰おうと思ったら空っぽやwww」と言っていた
- 「今補充しますね」と言うとまた「マスク貰おうと思ったら空っぽやwww」
- 補充して「お待たせしました」と言うと、マスクを受け取った後も「マスク貰おうと思ったら空っぽやwww」
- マスクを貰いに来ていた他のホームレスにも「マスク貰おうと思ったら空っぽやwww」
という感じ。
高齢のホームレスだと認知症的な症状が出始めている可能性もありますが、30代くらいの若いホームレスの場合は精神的な疾患も考えられそうです。
言ってる事に的外れが多い【ホームレスの特徴】
これも理解力の低さや話している時に話題が飛ぶ事が影響していそうですが、言ってる事に的外れが多い人もよく見かけます。
「雨の確率90%なのに小雨やん」みたいなちょっとしたものから、支援団体に来て「ワシらは客みたいなもんやから」という勘違い発言まで様々・・・
中には、配れる寄付品が無いと「おたく等は支援やからワシらに寄付品を配らんといかん。寄付品を用意するのはおたく等の義務や」と言う人もいます。
既に他の人に配らないといけない寄付品しかない事や元々が限られた寄付品である事を伝えてもゴリ押しで権利を主張する人も多く見受けられます。
自分の言葉でないと理解も納得もしない【ホームレスの特徴】
こだわりなのか理解力が低いのか分かりませんが、自分の言葉でないと理解も納得もしない人も多いです。
例えば、「普段は○○駅の右側の出口で寝ている」と話す人に対して「あぁ東口の方ですか?」と聞くと「違う右側の出口」としか言いません。
それが合っていれば問題ないのですが、そうでない事も多いので困ったもんです。
地図を見せて証拠を示しても理解も納得もしない場合も多々あるので更に困ったもんです。
何もかもやってもらって当たり前と思っている【ホームレスの特徴】
一部の限られた人達ですが、何もかもやってもらって当たり前と思っている人も中にはいます。
- 寄付品
- 炊き出し
- 寝場所探し
- 生活保護申請
- アパート入居手続き
- 入居や家具家電の費用
- 役所やお店などへの問い合わせ
などなど・・・
障害があったり認知症が進んでいたり高齢で体力が低下している方であれば支援が必要ですが、まだ若くて自分で何もやりたがらない「支援が不可欠ではない人達」が多くを占めます。
こういう人に限って過去に何十時間、何十万円もの支援をしてもらっているにもかかわらず「この団体は何もしてくれない。今までも何もしてもらった事がない」とすぐに逆ギレ。
すぐにでも支援が必要なくらい困窮している人はまだまだ多いのに、こんな人のために寄付金や公金が浪費されているのは不健全極まりないです。
ココがポイント
人によっては支援を受けるに値しない「完全に自己責任な人」もいます。
支援団体や役所はこういう所をもう少し厳しく規制できないもんですかね。
中にはこういう人もいるのが悲しい現実なのです。
何もかもやってもらえなくて当たり前と思っている【ホームレスの特徴】
先ほどとは打って変わり何もかもやってもらえなくて当たり前と思っている人もいます。
印象では「当たり前と思っている人」より多いと感じます。
その根底には、
- 自分みたいな底辺の人間には支援を受ける資格がない
- 誰かに支援してもらうなんて申し訳ない
という自己否定の考えがあるようです。
何とか日銭を稼いでやり繰りできている人は良いんですが、中には深刻なくらい困窮している人もいます。
そういう人に支援が行き届かないと、近いうちに最悪の結果になることも大いにあり得ます。
支援団体や役所にはこういう人へ支援を届かせる工夫が足りていないように感じます。
ココがポイント
支援が必要ないような人に時間と労力を使いまくって「仕事をしている気になっている支援者」が多いこと多いこと。
本当に人のための活動を考えているのなら何処に力と時間を注ぐべきか一目瞭然のはずですが・・・
もちろんお金も
なぜ知るべき?【ホームレスの特徴】
これでもまだほんの一部ですが、ワタシが知り得たホームレスの特徴をご紹介してきました。
中には厳しい表現もありましたが、ホームレスを非難したいワケではありませんし、彼らの変わった特徴を面白おかしく拡散して笑いものにしたいワケでもありません。
実はホームレスの特徴を知ってもらう事には目的があるのです。
驚かないため【なぜ知るべき?】
ホームレス問題や貧困問題に触れたことがきっかけで、ボランティアに参加したり支援団体スタッフに転職したりして問題解決に関わるようになる人もいます。
また、そこまでいかなくとも街中で困窮しているホームレスを見かけた時に「これはさすがに大変そう。何か手助けできることは無いか」とホームレスに声をかける事もあるかもしれません。
そんな時に予備知識なしの状態だと、思いもよらない彼らの反応に驚愕することも充分あり得ます。
いろいろな特徴をある程度知っておくだけでも、予想外の反応が返ってきた時に「もしかしたらこの人には○○のような背景があるのではないか?」と思考を巡らせる余裕が生まれます。
テンパってしまってやるべき事をやるべき時にやれないのが最も避けるべき事態なので、驚かないためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
ココがポイント
「何もしない」というのも大事な選択肢の一つです。
その判断のためにも驚かず冷静である必要があります。
ムカつかないため【なぜ知るべき?】
ホームレスの予想外の反応の中には、周りに対して攻撃的な反応もあります。
何も知らない状態では反射的に防御態勢をとったり反撃体制をとったりするかもしれません。
しかしそれでは必要な支援を届けられない事態に発展してしまいます。
ホームレスの特徴を色々と知っていれば、
- 何かしらの症状が原因なのかも
- 他人に対して何かトラウマ的なものがあるのかも
- 今は人に対して攻撃的になってしまうタイミングなのかも
と一歩引いて冷静に考える事ができます。
想定外の事にムカつかないためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
ココがポイント
中には意図的に他人を攻撃するホームレスもいます。
いろいろな事を知っていると冷静に見極めが可能になるので、予備知識は必要です。
関わり方に線引きするため【なぜ知るべき?】
その関わり方に線引きするためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
あなたが全てのホームレスを生涯にわたって支援し続けられるのなら考える必要は無いかもしれませんが、ホームレスがいるという事は支援が足りていないという事。
緊急度や深刻度が低い支援を求めてくるホームレスにかまっている間に、緊急で支援が必要なホームレスが後回しになってしまっては悲劇的な結末に発展する可能性もあります。
他にも、自ら望んでホームレス生活をしている人に対していつまでも時間や労力を使い続けてしまうと、今すぐに支援を必要としているホームレスを見逃してしまう事にもなりかねません。
ココがポイント
余計なお世話を押し付けすぎるとそのホームレスとの衝突が生まれる事も考えられます。
- 緊急な事は今すぐ
- 深刻でない事は後で
- 必要とされている事はやる
- 本人が求めてない事はやらずに様子見だけ
こういう判断をする根拠として活用するためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
自分がホームレスになった時のため【なぜ知るべき?】
コロナショックのおかげで「いつ誰がホームレスになってもおかしくない」という考えが広がりました。
ホームレスになる時には心身ともに大きなショックを受ける事も多々あります。
精神が病んだり壊れたりして以前の自分ではなくなる方もいることでしょう。
混乱して事件事故に巻き込まれたり自暴自棄になって自ら人生の幕を下ろしたりする事も無い事ではありません。
そんな時にいろいろ知っておくと、自分がホームレスになってしまった時に「あぁ、今の自分はこんな状態なんだな」と客観的に思えるかもしれませんし、「感情が爆発しそうなときには一歩踏み止まってみよう」と冷静に思えるかもしれません。
少しでも冷静な自分を保つことができるかもしれないので、自分がホームレスになった時のためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
手を差し伸べる機会を見逃さないため【なぜ知るべき?】
どこかで誰かが全てのホームレスの面倒を生涯にわたって見る事ができればこの世にホームレスなんかいません。
ホームレスがいるという事は支援や援助が隅々まで行き届いていないという事なので、状況やタイミングを見極めて支援が注がれなければいけません。
手を差し伸べる機会を見逃さないためにもホームレスの特徴は知っておいた方が良いです。
ココがポイント
場合によっては、こちらから何も支援せず自分で全部やらせる場合もありますし、本人が望んでないけど支援しないと命の危険がある場合もあります。
いろんな背景を知ることでより精度の高い判断ができるようになります。
まとめ:深く知る事で正しい理解を広げよう【ホームレスの特徴】
ホームレスになるという事は、多かれ少なかれ現代社会で求められている要素からズレた部分があるということ。
変わった発言があったり特殊な行動をする人がいる(ように見える)のはある意味自然な事であるとも言えます。
しかしそれが非難されたり排除される理由にはなりませんし、なってはいけません。
好き嫌いはあったとしても、いろんな人の存在が許容され受け入れられる世の中こそが本当の意味で多様性のある社会ではないでしょうか。
そうあるためには、まずは彼らホームレスを特別視しないフラットな視点を持つ必要があります。
ココがポイント
ホームレスだからといって無条件に攻撃することも、ホームレスだからといって無条件に擁護することも、ホームレスを正しく理解した上での行動とは言い難くある意味では彼らをまだ特別視していることになります。
彼らの事をより深く知り、より正しく理解していただくことにより、お互いに一人の人間同士としてホームレスと向き合う人が増えてほしいという思いからホームレスの特徴をご紹介させていただきました。
変わってると思いましたか?
面白いと感じましたか?
少し親近感が沸いたという方もいれば、より嫌悪感が増したという方もいるかもしれませんね。
しかし、よく知りもせずに罪なきホームレスを無闇に攻撃したり、深く考えもせずに悪意あるホームレスをマニュアル通りに支援するよりも、正しく理解した上で肯定したり否定する方がまだ健全なのではないでしょうか。
ココがポイント
肯定するにしろ否定するにしろ、思いつきではなく裏付けのある意見ならば、それは個人の意見として尊重されるべきだとワタシは考えます。
彼らホームレスを特別扱いしたり特別視する必要は全く無いのです。
彼らそれぞれがワタシ達と同じ「一人の人間」なのですから。
よく知りもせず全てのホームレスを無条件に否定する人達や、深く考えもせず全てのホームレスは無条件に守られるべきと考える人達が、一度立ち止まって冷静に考えるきっかけとなれば幸いです。