「生活保護が暇すぎる問題」について正味の話をご紹介していくこのシリーズ。
今回のテーマは「生活保護暇すぎ問題が引き起こす悪影響」です。
-
【生活保護が暇すぎる】リアルな理由がこちら【貧困正味の話】
続きを見る
生活保護暇すぎ問題の悪影響は、じつは彼ら本人だけでなく周りをも巻き込み、しかもその影響が長期間に及ぶ場合があることをご存知でしょうか?
普通に生活していたらなかなか知ることが出来ない事に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
生活保護やホームレスに対して(良くも悪くも)偏った偏見や間違った認識を持った人が減るために、そして正しく彼らに向き合う人に増えていってもらえるように、少しでも多くの方に見てもらえたら幸いです。
「生活保護暇すぎ問題」の記事一覧
貧困正味の話とは
あわせて読みたい
もくじ
【生活保護】暇すぎ問題が引き起こす悪影響とは【貧困正味の話】
日頃顔を合わせている生活保護受給者たちの多くは、前回の記事でご紹介したような理由で暇すぎる毎日を送っています。
-
【生活保護が暇すぎる】リアルな理由がこちら【貧困正味の話】
続きを見る
そんな彼らが余りまくった時間を消費するために用いる主な手段がネットサーフィンや動画鑑賞。
ココがポイント
そういったワケで、生活保護の支給が始まって生活がひと段落した後、彼らはまずスマホの獲得を目指します。
しかし携帯ブラックの生活保護受給者も少なくないため、契約時の審査では度々苦労することとなります。
しかし、情報端末をフル活用できる人は残念ながら多くないためほとんどの場合は早々に出来る事が底をつき、すぐに飽きて「つまらない毎日」に逆戻りしてしまいます。
そうなってしまうと、以下のような悪影響が少しずつ顔を出し始めることとなります。
生活保護暇すぎ問題の悪影響
- 心も身体も病んでいく
- モノ・金を浪費する
- 失踪を繰り返す
それぞれについて少し踏み込んでご紹介していきます。
①心も身体も病んでいく【生活保護暇すぎ問題の悪影響】
じつは、ヒトは暇過ぎると孤独感や社会からの疎外感を強く感じるようになり自身の存在意義について疑問を持つようになっていきます。
そうなると、ネガティブな事を考えるのがクセになってしまい心が少しずつ病んでいきます。
心が病んでくると何事に対してもやる気が起きないので運動なんかしようとも思わず、身体も少しずつ衰えていくことになります。
また、ストレスで全く食欲が出なくなる人もいれば、逆にドカ食いでストレス発散する人もいて栄養面でも不健康になっていく場合もあります。
ストレス発散の矛先を酒・タバコに向ける人も少なくありません。
正に、心身ともに不健康への道まっしぐら状態になってしまうのです。
ココがポイント
仮に病気になったとしても、指定医療機関であれば生活保護受給者は無料で診療を受けることが出来ます。
一見するとおトクのように見えますが、
- 本人は健康を害している
- 医療機関は診療報酬請求の手間がかかる
- 医療費は社会福祉事務所から支払われる(=公金)
という誰のトクにもならない悲しい状況とも言えます。
②モノ・金を浪費する【生活保護暇すぎ問題の悪影響】
- 自発的に何かをするという事ができない
- 新しく何かを始める気が起きない
日常的に顔を合わせている生活保護受給者たちはこんな人がほとんど。
そんな彼らなので、孤独を紛らわせたりストレスから目を逸らすために講じる手段は必然的に受動的なモノが多くなっていきます。
例えば
酒・タバコ・ギャンブル・風俗などなど・・・
家計のやり繰りの範囲内でやるのなら何も問題は無いのですが、そんな器用なことが出来る人は残念ながらごく僅か。
彼らの多くは後先考えずにお金を使うので、次の支給日までまだだいぶ日数が残っているのにお金が足りない状況になるのは毎月の恒例行事です。
ココがポイント
幼い頃から患っていた障害や貧困になる過程で経験したショックなどで合理的な判断ができなくなった方もいて、「本人の問題と一概には言えないケース」も少なくありません。
もちろん、ただ単にだらしないだけの人もいますが・・・
「自分が困るだけだから自業自得やん」と言いたくなる所ですが、実はここからさらに大きな悪影響が広がっていくのは一般的にはあまり知られてはいません。
その事について少し詳しくご紹介していきます。
「モノ・金の浪費」のその先に
生活保護費が足りなくなった時、多くの人がまず助けを求めるのが役所。
- 次の保護費を前倒しで貰えないか
- お金を貸してもらえないか
- 食料を貰えないか
という感じで窓口で交渉しますが、せいぜいちょっとした保存食のような物が貰えるくらいで大した支援は受けられません。
それでも普通にやり繰りできる人ならそれだけでも次の支給日まで乗り切ることは十分に可能なのですが、それすら難しい人が多いようです。
ココがポイント
それ以前に生活費が十分賄えるくらいの金額を貰っているはずなので、足りなくなる時点でやり繰り(というより算数)が下手なことが伺えます。
それほど苦労しなくても、生活保護費以下の金額で暮らしていくことは十分に可能です。
-
【家賃込みで月10万】一人暮らしの生活費(内訳)の具体例
続きを見る
期待していたほどの支援が役所で受けられなかった場合、彼らが次に向かう先は貧困支援団体。
支援団体には全国から寄付品(食料・衣類・消耗品など)や寄付金(団体の活動資金や人件費・困窮者への金銭支援などに使われる)が集まってくるのでそれ目当てで訪れるワケです。
ココがポイント
特に大阪や東京にはNPOや有志の支援団体が数多くあります。
役所よりも良いモノが貰える場合がある上にタイミングによっては金銭的な支援が受けられる場合もあるので、そのことを知った人は役所よりも支援団体の方を優先するようになります。
こういった受け皿があるのは一見すると素晴らしい事のように思えますが、
- 寄付してもらうことが当たり前だと考えるようになる
- 貰える寄付品が無かった時に逆ギレするようになる
- 寄付あり前提の生活のため浪費グセが改善しない
- むしろ悪化して寄付の浪費が増大する
- 公的支援が十分ではない
という残念な点の方が現場では目立っています。
ココがポイント
中には、ホームレスのアパート入居支援などのために一人に対して何十万円ものお金を簡単に出すこともあります。
このせいで入居に関する手続きなどは「人にやらせるもの」、入居費用は「人が出すべきもの」という考えが浸透している悪影響の一つとなっています。
ホームレスには世間知らずの人も多いので「これが当たり前」と思ってしまうのも無理は無いのですが、貰っている寄付で成り立っている支援団体にはその辺の事をもう少ししっかり伝える義務があるのと思うのですが・・・
頂いた尊い善意が無駄に浪費されているのを見るのは心が痛みます。
団体によっては「何者も排除しない」という(おそらくは崇高な)理念で際限なくモノやお金を与え続けて、甘えた考えを持つ他責思考の人々を量産している所もあります。
もっと詳しく
今回のテーマからは少し逸れてしまいますが、的外れな擁護によって周りの人が被害を受けることとなった事件もあったようです。
>>詳しくはこちらの記事で(支援の場でのセクハラ被害について)
しかもこの件では、むしろ被害者の方が非難を受けたり口封じなどの隠ぺいがあったようにも見て取れます。
貧困当事者にばかり目を向け視野が狭くなった陰で周りの人が危険に晒されている典型的な例と言って良いでしょう。
浪費が増大し続ける生活保護受給者に対し支援団体が際限なくモノ・お金を与え続けるため、善意の寄付品や寄付金が際限なく失われている現状が残念ながらあるのです。
中には健全な寄付品・寄付金の使われ方もあるのかもしれませんが、現場を見ていると寄付品や寄付金が不健全に浪費されている場面は少なくありません。
寄付を受ける人(生活保護受給者やホームレスなど)と支援団体の双方に「貰っている事に対するありがたみ」が決定的に足りない事が見て取れます。
実際にこの目で見ている範囲に限って言えば、生活保護受給者本人のモノ・金の浪費のその先には「善意が際限なく不健全に浪費される」という悲しい悪影響が存在しているのです。
③失踪を繰り返す【生活保護暇すぎ問題の悪影響】
- つまらない毎日から逃げたい
- 寂しさに耐えられない
- もう全部どうでもいい
こんな事を毎日考えるようになった末に失踪という行動に出る人も少なくありません。
特にホームレス経験者は路上生活への抵抗が少ないため、住まいや生活を捨てる決断が驚くほど早いです。
ココがポイント
その場合、後ろめたさや環境を変えたい気持ちから遠方に行くことが多いようです(関東から九州、関西から北海道に行く等)。
以前に路上生活した事があって勝手が分かっている土地を目指す人もいれば、全くゼロの状態に戻りたいという思いから縁もゆかりも無い土地を目指す人もいて様々です。
じつは、ホームレスになったからと言って彼らの悩みが解決するワケではありません。
ホームレスになると考える事・やる事が多くなるので、ネガティヴな事を考える時間や余裕がなくなっただけ。
ホームレスが考える事・やる事
- 人目につかない居場所探し
- 安全な寝床の確保
- 衣類・食料の確保
これらを何とか確保できたとしても季節や天候によって無に帰す事もしぼしば・・・
プライベート空間も安定収入も持たないホームレスは気が休まる暇が無いのです。
※安定した収入源を確保できた人はネットカフェやDVD個室などを利用できるようになりますが、それがずっと続く保証はどこにもありません。
つまり一時的に気が紛れているだけで根本的な解決にはなっていないのです。
路上生活が安定してきて時間的にも精神的にも余裕が出てくると、虚しさや孤独を感じることが少しずつ多くなっていきます。
これが後に及ぼす悪影響については一般的にはあまり知られていないので、少し詳しくご紹介していきます。
失踪の繰り返しで消えていく善意・お金
- 暇すぎると失踪する
- 路上生活への抵抗が少ない
- 今の生活を捨てる決断が早い
失踪することに対して(悪い意味で)フットワークが軽いことをお伝えしてきましたが、この後に待っているのが「失踪を繰り返す」ということ。
路上生活が安定し、時間的にも精神的にも余裕が生まれ、虚しさや孤独を感じることが多くなった人は「今の環境から逃げたい」という思いから今度は再び家がある生活に戻りたがります。
その場合、役所ではなく繋がりがあった支援団体に戻ってくることが多いのですが、失踪を繰り返すような人は全く悪びれることなく素知らぬ顔をして戻ってきます。
ココがポイント
こういう人は見ていて本当に腹が立ちます。
中には「本当に申し訳ない」と反省しながら戻ってくる人もいるのですが、そういう人はやむを得ない事情に巻き込まれでもしない限り失踪を繰り返すようなことはありません。
支援団体では入居に関する何十万円という費用を出す支援を行っている時があるので、それをアテにして自己負担なしでアパートに入居しようとしているのです。
ココがポイント
この費用は、支援団体が(表面的に)謳っている活動理念に共感した方たちの善意の寄付金や協力企業などからの助成金などで賄われている場合が多く、支援団体の自前のお金ではありません。
涼しい顔をして失踪を繰り返すような人は抜け目ないので、もちろん並行して生活保護の申請も支援団体にやらせます。
こんな風に人に手間をかけさせ多額のお金も他者に負担させ、家がある生活にやっと戻ってきたと思ったのも束の間。
退屈な毎日や孤独に耐えられなくなると再び失踪します。
ここまで来ると「なんとなく飽きたから」程度で生活を捨てたり戻ってきたりするレベルの軽率な行動と言って良いでしょう。
こんな事を何十年も繰り返している人がいて、そんな人を何十年も野放しにしている支援団体もあるのです。
ココがポイント
つまり、とてつもない額の寄付金・公金が何十年も無駄に浪費され続けてきたという事になります。
予備知識がない頃は「本人もツラいはずだから理解してあげないといけない」とも思ってましたが、あまりにも誠意がない人が多いという現実を目の当たりにして唖然としています。
同時に、そういう人を甘やかして行動の改善を促さず、善意で頂いた寄付品や寄付金を垂れ流している支援団体の存在意義も甚だ疑問に感じます。
まとめ:暇すぎ問題は誰のトクにもなってない【生活保護暇すぎ問題の悪影響】
「生活保護暇すぎ問題」は、本人だけでなく周囲をも巻き込んで悪影響を及ぼす場合があります。
状況を目の当たりにしていると、歯止めをかけられる絶好のチャンスを持っているのが支援団体なのですが、野放しになっているのが残念な現実。
支援の手間・寄付金や公金などが人知れず浪費されていく不健全な状況がこの貧困界隈には残念ながら数多く見受けられるのです。
「生活保護暇すぎ問題」の記事一覧
あわせて読みたい